私の夏の恋
「あの、先輩。私、野球よりも、先輩の方………」
「だから、中学野球最後の夏の大会、絶対にこの仲間と優勝したいんだ。俺は野球推薦で東京の高校に行ってしまうから、地元の仲間と野球をやれるのはこれが中学最後の夏なんだ。」
「………」
それを聞いた瞬間、私は最後まで想いを口にすることはできなかった。
「で、なんか言った?」
「いえ。夏の大会、がんばってください。先輩。」
「ありがとな。」
青く澄み渡ったた、夏空の下。蝉の鳴き声に呼応するように、私の心は切なく泣いていた。
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