君の側にいるだけで
「俺さ兄貴からしょっちゅうお前の話聞かされてきた。だから趣味とかも分かる。兄貴がお前と別れたときチャンスだと思った。お前があの日出会うことは俺には分かんなかったけど、“運命”だと思った」
「えっ、」
「穂香、俺さ好きな人にしかこんなことしないよ。軽い人だと思わないで」
「好きだよ」
自分今どんな顔してるのかな?言葉が出てこないよ
「あと、この前言うっていった話ね。あの日お前の悪口を俺の元カノが言ってて、けど女の子だから殴れないじゃんだから、壁を殴った。この手はお前のために使う」
「和泉君」
気がついたら自分は和泉君に抱きついていた
「自分も和泉君のためにこの手を使う。この手で和泉君を抱き締めるために、あと好きな人にはこんなことだって出来るんだから」
そう言い私は和泉君のほっぺにキスをした。
「...っ、可愛すぎるだろあと、和泉君って呼び方もなんかやだ」
何かすねてる、じゃあ
「翔君」
めっちゃ顔真っ赤
「あははっ翔君のほうが顔に出てるよ。今すごく恥ずかしいって」
「口に出すな!」
その日私達は初めてキスをした。
甘くて苦くてでも、幸せな味だった。