その時は、ちゃんと
「断ったよ」

「そっか」

「うん、好きな人、いるから」

ヤキモチとか、妬いてくれないのかな。
そう思って轟を見てみるけど、何も変わらない。

「早く告っちゃえばいいのに」

「…無理だよ」

「フラれるから?だったらこれまでお前に告ってたやつはどうなるんだよ」

「あの人たちと私は違う!」

「あぁ確かに、お前が臆病だという事について言えば違うかもな」

「違う!あの人たちは私のことを知らないじゃない!」

「知ってるから告ったんだろ」

「そうじゃない!」

「ほらほら二人とも落ち着け、な?」

「そうよ、ここ、教室だから」

周りを見ると、みんな私たちのことを驚いた顔で見ていた。
轟は、何もわかってない。話したこともないような人に告白してフラれるのと、仲のいい人に告白してフラれるのとじゃ、全く別だ。

「…次もサボる」

「あ、おい!」

「……保健室」
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