いつの日か、好きになる人
物思いに耽っても仕方がないと、カバンを背負う。
その時、聞こえてきた。
あの音が。
その美しい音色に誘われるように、私は廊下を辿っていく。生徒がいないので、誰ともすれ違わない。
周りが帰っている中、この音だけはこの時間になると必ず校舎を駆け巡る。
その事に気付いたのは入学して一ヶ月ほど経った頃。
私はクラスで馴染めない。元から口下手なせいで、クラスのグループに入り損ねてしまった。
落胆するどころか、いつもの事だと開き直る。
教室で一人入り浸っていたら担任に明日の課題の手伝いをさせられた。断る理由も浮かばず、結局言いなりになる。
作業が終わり、お礼にオレンジジュースを貰ってそろそろ帰ろうかと昇降口に向かっている途中で、この音色が聞こえたのだ。
その時、聞こえてきた。
あの音が。
その美しい音色に誘われるように、私は廊下を辿っていく。生徒がいないので、誰ともすれ違わない。
周りが帰っている中、この音だけはこの時間になると必ず校舎を駆け巡る。
その事に気付いたのは入学して一ヶ月ほど経った頃。
私はクラスで馴染めない。元から口下手なせいで、クラスのグループに入り損ねてしまった。
落胆するどころか、いつもの事だと開き直る。
教室で一人入り浸っていたら担任に明日の課題の手伝いをさせられた。断る理由も浮かばず、結局言いなりになる。
作業が終わり、お礼にオレンジジュースを貰ってそろそろ帰ろうかと昇降口に向かっている途中で、この音色が聞こえたのだ。