私の化身




「それは違うよ。あの子は君を助けたくて、生きて欲しくて助けた。君がその罪を背負っていく必要はない」



彼の泣きそうな声と顔に、こちらまでつられたようで鼻の奥がツンとした。


「……やっぱりあなたは優しいな。でも私はずっとこの罪は忘れちゃいけないと思う。あの子が私を助けた、大好きな証。ずっと忘れない。そうして改めて私の力でこれからは生きていこうと思う」




彼の顔を見るととても優しい顔──あの子と一緒にいたときの大好きな顔で笑っていた。



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