【短】1%の可能性に想いを込めて
その表情は写真と同じ顔で。
「(…好きな人と電話してるんだ)」
電話の相手が誰なのかは簡単に予想がついた。
けど、驚くのはその後。
「うん。じゃあな、────…姉貴」
え───?
最後に告げた電話相手への呼び方に、思わず息を飲んだ。
今夏輝くん、なんて言ったの?
「姉貴」って、お姉さん?
「…あれ?菅田?」
「…っ!?」
ぐるぐると頭の中で考える私の目の前に、さっきまでそこで電話をしていた夏輝くんが現れた。