【短】1%の可能性に想いを込めて
「あ、の…これ、落としたみたいだから…」
動揺してしまって声が震える。
手渡した写真を見て、夏輝くんは「あぁ」と呟いた。
「落としてたんだ。ありがとな」
私の手からスッと写真が抜け、夏輝くんの手に渡る。
「…何?」
「えっ!?あ、いや…」
その写真を余りにも大事そうに持つから、そんな夏輝くんを見つめてしまった。
そんな私を見て、夏輝くんは1つため息を漏らす。
「何、俺の好きな人気付いちゃった?」
苦笑する彼に私は小さく頷くことしか出来なかった。
ピラ、とさっきの写真を私の前に差し出す夏輝くん。
「姉貴。可愛いっしょ?」
余りにも愛おしそうにそう言うから、なんだかキューっと胸が苦しくなってしまう。
「この人が、正真正銘俺の好きな人。多分一生、俺はこの人以上に好きになれる人には出会えない。それくらいすげー好き」
「…っ」
胸がえぐられるみたいに苦しい。