【短】1%の可能性に想いを込めて



「100%菅田を傷付けると分かってて、俺はお前と付き合うつもりはないよ」

「…ッ」




容赦ない夏輝くんの言葉が降りかかる。


はっきりとした口調ではあるものの、それが冷たいとは思わない。




私を傷付けたくないという、夏輝くんの気持ちがちゃんと伝わってくるから。




だから、私は─────。






「じゃあその100%が99%になったら付き合ってくれる?そしたら、1%は私が幸せになれるってことだよね?」

「…はぁ。本当変わってるね、菅田って」





苦笑する彼に、私も微笑み返す。







「夏輝くん、好き」

「うん、ありがと」





同じ言葉を返してくれる日を、私はずっと待っている。






【fin.】




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