両片想い・*:..。o○
▪️沙織side
幼なじみの亮太に彼女が出来た。
「そっ、か……おめでとう」
嘘の仮面を貼り付けて笑ってみせるあたし。
「……おう、サンキューな」
「応援するよ」
嘘だ。本当は2人の仲を邪魔してしまいたい。
「これからは彼女を大切にしてあげなよ?」
嘘だ。本当はあたしを1番大切にしてほしい。
「よかったー!これで亮太のお守りから解放される」
嘘だ。本当はずっと傍にいたい。
「じゃ、誤解されたら駄目だからこれで……」
嘘だ。本当は今までの想いを全部伝えてしまいたい。
でてくるのは嘘の言葉ばかり。
ここで真実を言えるときっとなにか違ってくるんだろうけど、臆病なあたしは言葉が喉につっかえたようになにも出てこない。
そして1人でひっそりと泣くんだ。
もう、一緒にもいれないのかな?
お互いふざけ合って、笑い合うこともできないー??
いやだよ。あたしだって───……
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