両片想い・*:..。o○







あたしも亮太を忘れるために彼氏をつくった。



この人なら忘れさせてくれるだろうと思った。




でもだめなんだ。




亮太とは違うその手が、

亮太とは違うその唇が、

亮太とは違うその触れ方が、



なにもかも亮太と比べてしまう。



そんな最低なことを思ってしまう自分に吐き気がする。



それでも彼は優しく、あたしをまもってくれる。

その優しさが辛い。





「亮太、亮太、亮太……」



関係を変えることが怖かった。



だってこの幼なじみという距離でも、亮太はあたしを必要としてくれていたし、あたしを1番大事にしてくれた。



想い続けると添われるなんて真っ赤な嘘だ。



現状を変えようと努力しなきゃなにも変わらないんだ。





「…………すきだよ」





弱々しく小さな想いは空気に溶け込むようにして消えた。



< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop