両片想い・*:..。o○
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あたしも亮太を忘れるために彼氏をつくった。
この人なら忘れさせてくれるだろうと思った。
でもだめなんだ。
亮太とは違うその手が、
亮太とは違うその唇が、
亮太とは違うその触れ方が、
なにもかも亮太と比べてしまう。
そんな最低なことを思ってしまう自分に吐き気がする。
それでも彼は優しく、あたしをまもってくれる。
その優しさが辛い。
「亮太、亮太、亮太……」
関係を変えることが怖かった。
だってこの幼なじみという距離でも、亮太はあたしを必要としてくれていたし、あたしを1番大事にしてくれた。
想い続けると添われるなんて真っ赤な嘘だ。
現状を変えようと努力しなきゃなにも変わらないんだ。
「…………すきだよ」
弱々しく小さな想いは空気に溶け込むようにして消えた。