両片想い・*:..。o○
▪️亮太side
俺に彼女が出来た。
小さくて可愛らしい女の子だ。
俺にはもったいないほどの彼女だと思う。
「それでねー、りょうくん」
「うん」
でも彼女と話しているときもチラつくのはいつも一緒にいる幼なじみのことばかり。
最低だ。
俺は沙織を忘れるためにこの子を利用したのだ。
沙織はこの子みたいに可愛くないし、優しくないし、女の子らしくもない。
でも、俺はずっと、生まれた時から───
「よかったー!これで亮太のお守りから解放される」
あぁ、伝えなくてよかった。
俺から君を解放することができてよかった。
まだ諦めるにはもう少し時間がかかると思うけど、、、
沙織とその彼氏が笑い合うのを眺めながら俺は一筋の涙を流した。
「沙織、好きだよ」
ずっといいたかった、でもいえなかった言葉は静寂のなか、空気に溶け込むようにして消えた。
【END】