愛されたかった、好きだった。




「なにしてんだよ、くそっ」



眉を下げて彼女はきっと困り果てたいただろう。



自分の思い通りに動かなくなってしまう駒をみて_______




秋斗以外は、所詮全員駒だ。


使えるものなら側に置いとくし、いらないものはさっさと遠くにやってしまう。


とても懸命で冷酷な子。

だけど、優しさを未だ捨てられず人を切り捨てることができない。




「綾ー、またンなとこいたのかよ」



「相変わらずお前は何も変わらないな」



「別に迎えなんていらないんだけど」



ゆるりと絡んでくる麗央と忍くんを軽くあしらう。


この人達の独特で偏りのある世界観は蜘蛛の巣のように張り巡らされていてすぐに絡みとられる。


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