愛されたかった、好きだった。
「どこが“いい奴”なの」
「はは、いい奴なんだけどね?
とりあえず、案内するから俺について着て」
これ以上彼に言っても意味のない事だと判断した私は口を閉じてついていくことにした。
倉庫の奥の方まで来たところで、おもむろに仁太くんは口を開いた。
「あ、今日レディースの人達いるけどあんまし気にしないでね」
「え?」
聞く返す間も無くして、ネオンピンクで塗装されたドアが開けられてしまった。
「遅いぢゃん、仁太」
部屋の中には木下くんと、私達と同じ学校の制服を着た子、この辺りじゃ有名な進学校の制服を着た女の子が2人真っ黒のソファーに腰掛けていた。
「ふふ、待たせてごめんね真理亜(まりあ)、照羅(てら)」
「相変わらず、王子様やなぁ見惚れてまうわ。
ほんで、その後の子はどちらさんで?」
仁太くんと談笑していた、進学校の制服を着ている子は私に視線を向けていた。
「あ、えっと私は三木 紘です」
「うっそー、初めて見たんだけどぉ濡れ子さん!」
キャハハと同じ学校の制服の人は私をバカにするように笑っていた。
「俺の彼女にんなこと言うのやめろよ」