愛されたかった、好きだった。



「え、彼女!!
ねぇねぇ、どっちから告ったの?
てかいつから〜?
ヤバい、照羅一大事!!」



「騒がしい子やな。

まぁウチの子らの標的にならんようにせいぜい頑張りや」



「ウチの子ら?」


「真理亜と照羅は、レディースの総長と福総長なんだよ」


チラリと2人の顔を伺うと、バッチリと目が合ってしまった。


多分、私と同じ制服を着ている方が真理亜さんで、進学校の制服の方が照羅さん。


真理亜さんは、ピンクアッシュの髪を毛先だけ巻いていて派手だなっていう印象、

対して照羅さんは、金髪で全体的にウェーブがかっており大人しめな印象を受けた。


そんな太陽と、月という言葉が似合う2人に共通していることは両方美人だと言うことだ。



「そういいつつも、アタシらはただのお飾り」



真理亜さんは、私と秋斗くんを一瞥すると自嘲気味に笑った。



「アタシらの本当のトップは鈴音なんだけどねぇ」



今日で何度目だろうか、“鈴音”という名前を聞いたのは。


大層、凄い人なのだろう。



「何言ってんだ、ローズクイーンのトップはお前らだろ」


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