愛されたかった、好きだった。




「あらあら、何を仰いますやら。

ローズクイーンは、音零(ねお)さんが鈴音の為に作った場所。

ウチらはただ鈴音の居場所を守るためのお飾りにしかあらへん」



私はそういう暴走族とかの知識がないのでよくわからないが、この場所は鈴音さんを大事に思っている人達が作り上げたものだということだけは理解できる。



色んな人からの愛してもらえるほどの人格だ、本当に私とは真逆で無機質な冷たさなど知らないのだろう。



「そこまでにしなよ三人とも。

真理亜、照羅用件は?」



仁太くんは、三人がこれ以上ヒートアップする前に間に入り話を元の趣旨に変えた。



「鈴音も綾乃もいないしー、仕方ないから帰る」


「そうやねぇ…まだ現段階では言う必要もあらへんかもしれませんし、おいとましますわ」



2人は私たちの返事を待たずに部屋を出て行った。


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