愛されたかった、好きだった。




それから、ご飯を食べて、また潤さんが運転している車に乗せてもらって家の近くのコンビニまで送ってもらった。



「紘、また明日な」


「いい加減、私の彼氏ヅラするのはやめてよ。

私達は偽物なんだから」



木下くんは私の言葉に寂しそうに微笑むと、車は去って行った。



「はぁ…さて、と、、」


こんな時間になってしまったが、あの人はもう帰ってきているのだろうか。


あの人は食事はいらないと言っていたし、私も遅くなることは連絡済みだ。



だけど、お酒を飲んでいるならだいぶ厄介で正直帰りたくない…。



コンビニから歩いて5分弱、オンボロアパートという言葉がぴったりの小さなアパート。


住居者も、私のとことあと2組住んでいるようだが未だ会ったことはない。



「ただいま…」


ガチャリとドアを開けると、まだあの人は帰ってきていないようだった。


私はすぐさまお風呂に入り、自室へ向う。


布団は入った時は冷たかったものの、段々温もりが感じられるようになったな、と思っているとガチャリと音がやけに響いた。


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