愛されたかった、好きだった。
「おいっ!!
紘お前どこ行った!!」
ガンッと襖が勢いよく開き、私は“あの人”に胸ぐらを掴まれた。
「お前もあの女と一緒か!?
俺を置いて何処かへ行こう何て、許さねぇからな!
聞いてんのかっ!!」
バチッと鈍い音がして私は壁に飛んでいき背中を思いっきり打ってしまった。
「お、、父さん…」
私はあの人の依存対象。
私の母親に見捨てられ、その恨みを顔が似ている私に晴らす為の道具。
「私はどこにも行か、、ないから、ね?」
不要物の私を、父は必要としてくれる。
だから私はどれだけ傷つけられても父親に縛り付けられる他、自分の存在価値が見出せない。