愛されたかった、好きだった。
つまらないと言えばつまらないのかも知れないが、私は幸せになる事もできない忌々しい子なのだから。
不良校とは思えないほど綺麗で真っ白い廊下を進み、人の声すら聞こえなくなったという所に保健室がある。
保健室があるこの廊下だけは、ほぼ静かで季節を感じさせない雰囲気を持っていた。
まぁ先生などは始業式で出払っているから、ノックは必要ないと判断してドアを開ける。
消毒液の匂いが立ち込める保健室は少し苦手だ。
戸棚から、勝手にジャージとタオルを拝借して1番奥のベットのカーテンを開ける。
が、すぐそのカーテンを閉める。
なんでここに人がいるんだ。
体調が悪いとか、そんなのだろうか。
先生を呼んできたほうがいいのかも、と今来た道を戻ろうとした時不意に手首を掴まれ、引っ張られた方へと転倒してしまう形になってしまった。
病人だろうか関係ない、文句の一つでも言ってやろうと振り返ると、銀色の瞳が静かに私を捉えていた。
美しいとカッコいいを掛け合わせた顔立ちにグレーアッシュ色の髪を黒のピンで留め、その顔は真顔なものの目を離すことができず、引きずりこまれて行くような感覚に陥る。
少々居心地が悪い。