愛されたかった、好きだった。





つまらないと言えばつまらないのかも知れないが、私は幸せになる事もできない忌々しい子なのだから。




不良校とは思えないほど綺麗で真っ白い廊下を進み、人の声すら聞こえなくなったという所に保健室がある。



保健室があるこの廊下だけは、ほぼ静かで季節を感じさせない雰囲気を持っていた。



まぁ先生などは始業式で出払っているから、ノックは必要ないと判断してドアを開ける。


消毒液の匂いが立ち込める保健室は少し苦手だ。


戸棚から、勝手にジャージとタオルを拝借して1番奥のベットのカーテンを開ける。



が、すぐそのカーテンを閉める。


なんでここに人がいるんだ。

体調が悪いとか、そんなのだろうか。


先生を呼んできたほうがいいのかも、と今来た道を戻ろうとした時不意に手首を掴まれ、引っ張られた方へと転倒してしまう形になってしまった。



病人だろうか関係ない、文句の一つでも言ってやろうと振り返ると、銀色の瞳が静かに私を捉えていた。



美しいとカッコいいを掛け合わせた顔立ちにグレーアッシュ色の髪を黒のピンで留め、その顔は真顔なものの目を離すことができず、引きずりこまれて行くような感覚に陥る。


少々居心地が悪い。



< 4 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop