愛されたかった、好きだった。
ん、っと伸びをして固まってしまっていた体を伸ばす。
本当はもっと優雅に過ごすはずだったのに、秋斗のせいで台無しだ。
きっと、そんなことを秋斗に言ったとしても「学校に来ないお前が悪い」ってまた彼に怒られてしまうだろう。
その光景が想像でき、ふふと笑って慌てて周りを見渡す。
1人で笑っている人ほど不気味に見えるものなどない。
「ねー、今1人?
俺らとあそこのカフェで喋んない?」
2人組の男は私の両脇の椅子に腰を下ろし、にこにこと話しかけてくる。
いつもなら、私も行くとこなんだけど今日は急いでるんだよねー…。
「ごめんねー」
「スズネ、見ツケた」
「影架(かげか)?」
コツコツと靴を鳴らして彼女は笑うこともなく私達が座っている椅子の前に立つ。
「探シタヨ、まサか今回はそンな男とイルトハね」
私をじっと見つめていた目を横に向け素行が良さそうとは言えない男達に視線を向けた影架はただその2人を見定めているように見える。