愛されたかった、好きだった。






「潤、あんまり影架の事を影って呼ばないでね」



車の助手席に乗り込んだ私は、潤にそう言った。


“影”なんて、そんな淋しい名前あの子には似合わない。

もっと綺麗で純粋な虹のような名前がいいに決まっている。



「鈴音、俺たちに変な肩入れするな。

俺たちは最悪でも、雇われている身だお前を殺せと言われたら俺は…」



「何言ってんの、それがお父様の命令なら実行しなさい。

私は2人が好きだから心配してるだけ肩入れなんてしてないわ」



2人は優しいから、自分を疎かにするから私が見ていないといけない。



「でも…」


私の横顔をちらりとみた潤は私に聞こえるくらいため息を吐いてそれ以上何も言ってくることはなかった。



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