手に入らないもの
でも気付けば走ってた。
「あのっ!!!!!!」
私はその人を呼び止めた。
いや、呼び止めてた。
勝手に体が動いていて
勝手に言葉を発していた。
「・・・・・俺ですか?」
彼は問う。
私は大きく頷いた。
「あのっ・・・・お友達になってくださいっ!!!!!
私・・・・あなたと仲良くなりたいです!!!!!」
彼とは初対面。
合コン?
そんなんじゃない。
でもどこかで会ったことのあるような
そんな懐かしい顔だった。
彼はにこっと笑った。
「よろしくねっ☆」
彼は右手を差し出す。
私はためらいながらも握った。
それが君との出会いだった。
そして全ての始まりだった。