手に入らないもの



でも気付けば走ってた。



「あのっ!!!!!!」


私はその人を呼び止めた。


いや、呼び止めてた。

勝手に体が動いていて

勝手に言葉を発していた。



「・・・・・俺ですか?」


彼は問う。


私は大きく頷いた。


「あのっ・・・・お友達になってくださいっ!!!!!


私・・・・あなたと仲良くなりたいです!!!!!」



彼とは初対面。

合コン?

そんなんじゃない。

でもどこかで会ったことのあるような

そんな懐かしい顔だった。


彼はにこっと笑った。


「よろしくねっ☆」

彼は右手を差し出す。


私はためらいながらも握った。


それが君との出会いだった。


そして全ての始まりだった。



< 14 / 68 >

この作品をシェア

pagetop