手に入らないもの




「乙葉............」


「何でここにいるの??今日、部活でしょ??しかも……誰??この子。」

私はその人の態度にムカついて立ち上がって反抗しようとした。
でも、弘海に止められた。



「……コイツ、俺の彼女。だから、手を出さないでくれよ。

悪ぃ……今日は帰ってくれ」


────────

やっぱり彼女いたの………



いたんだね。


「分かったぁ。乙葉さん、何かごめんなさい。でもただの友達ですからっ!!」


私は一生懸命笑顔に振舞った。


何も言わない彼女。

相当怒っているようだった。


でもとにかく私は彼を守るためにも

その公園を離れた。


その後私は泣いてた。

何でかな

大切な人を失ってしまった。


そんな絶望満ちた気持ちだった。


私はただただ彼をかばいたかったのかもしれない。


でもそれは


自分に嘘をついているということだった。

でも私は


自分の気持ちより弘海のことのほうが

大切だったんだと思う。


こんなに人の気持ちを考えて行動に移したのは......

初めてだった……
< 22 / 68 >

この作品をシェア

pagetop