手に入らないもの
「乙葉............」
「何でここにいるの??今日、部活でしょ??しかも……誰??この子。」
私はその人の態度にムカついて立ち上がって反抗しようとした。
でも、弘海に止められた。
「……コイツ、俺の彼女。だから、手を出さないでくれよ。
悪ぃ……今日は帰ってくれ」
────────
やっぱり彼女いたの………
いたんだね。
「分かったぁ。乙葉さん、何かごめんなさい。でもただの友達ですからっ!!」
私は一生懸命笑顔に振舞った。
何も言わない彼女。
相当怒っているようだった。
でもとにかく私は彼を守るためにも
その公園を離れた。
その後私は泣いてた。
何でかな
大切な人を失ってしまった。
そんな絶望満ちた気持ちだった。
私はただただ彼をかばいたかったのかもしれない。
でもそれは
自分に嘘をついているということだった。
でも私は
自分の気持ちより弘海のことのほうが
大切だったんだと思う。
こんなに人の気持ちを考えて行動に移したのは......
初めてだった……