手に入らないもの



でも


この重い想いは消えなくて


いっそう膨らんでくばかりで


それにつれて


前より


もがくようになった。

泣くようになった。


でもこれは


全部無駄ではなかったね。


だって.........


これが最後じゃなかったから。



これがお別れじゃなかったから。


これが最後の再会じゃなかったから.......




───────
───────────


その夜

私はただただ月を見ていた。

純粋に人を愛して来なかった私が
人のコトで頭がいっぱいになるなんて

前までは────

考えもつかなかっただろう。


でも........


弘海に会いたい.....

ただ純粋にそれしか考えてなかった。


また会いたい。

彼女がいたっていい。

ただ……赤の他人にはなりたくないよ…


辛すぎるじゃん…

そう思ってた時.....

『〜♪〜♪』

大好きなメロディ。

そして

弘海専用の着信音。


良く待ってたなぁ......


って!!

弘海から電話じゃん!!


出なきゃ.....


『ピッ…』



「もしもし??」
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