手に入らないもの
彼女
朝
私はいつもより早く起きていた。
ケータイのバイブが勢いよく鳴ったからだ。
「……もしもし??」
誰も出ない。
電話じゃないのか。
そう思った私は受信BOXを開いた。
『あなたなんか弘海にふさわしくない。』
………知らないメアド。
でもすぐに分かった。
「乙葉さん........」
絶対に彼女の仕業だ。
でもあくまで弘海の彼女。
手を出すのは許されたコトではなかった。
でも悔しかった。
乙葉さんは何だって持ってる。
綺麗だし
美人だし
スタイルいいし
何より弘海がそばにいる。
彼氏として。
それがうらやましくて
うらやましすぎて
自分が手に負えなさそうになっていた。
弘海に会いたい........
一目でいいから.....
目に焼き付けるから。
笑顔を見せて欲しい。
彼女の前での笑顔を
私の前でも1回見せて欲しい。
本気で思った。