手に入らないもの



でもやっぱり



乙葉さんには敵わなかった。



そして


些細な願いも


叶わなかった。




でもそれでも......



私は幸せでした

────────
───────────

『キーンコーンカーン───』


学校が生徒たちを解放へと導くチャイムが鳴った。



私はバックに荷物を詰める。


「美亜〜!!♪〜♪〜」


友達の杏が駆け寄ってきた。
杏は親友だった。
思いを打ち明けあい
お互いに支えながら、支えてもらいながら、壁を乗り越えてきた。


私の今までのコトを知ってるのも杏だけだから.....



「杏........やっぱり叶わない恋って難しいね。」



「ん−−確かにね、、でもそういう苦い経験も必要になったりするもんなのよ−笑」


杏の冗談らしい話が

マヂに聞こえた。


もう過去にしろと言うのがまず無理だよ。



でも私は──────


もう少しだけ君を思っていたい。


すっぱり諦めるためにも。



全て吹っ切るためにも。



まぁ当分無理だろ−けと゛.....



「ね−カラオケ行こ??全部忘れる勢いで!!全部おごるし!!」

杏───────

ありがと。



本当、杏がいなかったら私。



前を向けなかったかも。


マジ感謝だなぁ......


「行く!!!」


「そ−こなくっちゃ♪」


私は

マエムキ


になるためにも


カラオケへ行った────



これが

あの事件の始まりなのだけど。
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