手に入らないもの
私はカラオケ店に足を運んだ。
「607です。」
店員に言われてエレベーターで上がっていく。
6階に着いた。
そこには────────
「あれ??美亜…ちゃんだよね??」
乙葉さんがいた。
「はい、お久しぶりです。」
「学校帰りよね??いいの??」
嫌味ったらしく乙葉さんが言う。
私は淡々と答える。
「いいんです。」
「あら、学校に通報しようかしら??」
「好きにしてください。」
私は杏を引き連れて、その場を去る。
すると最後に乙葉さんが告げた。
「あなたたち……どうなっても知らないわよ。」
………怖い。
何で私はこんな人に操られなきゃいけないのよ……
恨み
妬み
憤り
全てをカラオケにぶつけた。
杏は一緒になって
歌ってくれた。
私の気持ちも分かってくれた。
何も言わなくても
分かってくれた。