手に入らないもの


乙葉さんに負けたくない。


やっぱり弘海が好きなのは変わらない。

ここまでされたんだ。

もう怖いことなんかないよ。


大丈夫。


もう平気。



私は──────

1人じゃない。



───────
──────────

「ただいまー……」


お母さん……いないのかな??


リビングに寄ろうとしたけど、面倒くさくなってそのまま自分の部屋へ行った。


……窓を見る。


月が綺麗だった。

久しぶりに見た気がした。

私は下ばかり

見ていたから。

上を見上げること

なかったから。






いつの間にか、私は泣いてた。


私は…何でこんなに傷つけられなきゃいけないんだろ。

恋をするってこんなに大変だったんだね。

知らなかったよ……

今まで私は恋を甘く見すぎてたのかもしれない。



……やっぱり。


私は諦めた方がいい??

何度も自分に問いかけた。


でも答えは変わらなかった。


やっぱり弘海が好き..........


皆に批判されても

何されても

弘海が好き─────────


弘海が少しでも

私に笑顔を見せてくれるなら


もう私は何もいらないよ───


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