手に入らないもの
夢
朝。
起きると涙で髪が濡れていた。
私は涙を拭いて窓を開けた。
ほら、こんなに明るいじゃん。
私、がんばれるかもしんないじゃん。
何で今まで苦しんでたんだろ。
空を見上げれば
すぐ答えが出たはずなのに。
向き直れたはずなのに。
ピーンポーン
・・・・・・・・・・・・・・・・お母さんやっぱり今日もいないんだ。
私は仕方なく扉を開けた。
そこには弘海がいた。
「弘海・・・・・・・・私ねっ・・・・・」
「もうやめよう?友達でいるの。」
「えっ・・・・・・・・・・・・・?」
冗談でしょ?
よく分かんないよ。
だってやっと私前を向けるようになったんだよ?
やっと・・・・・負けたくないって
苦しむ暇なんかないって
やっと思えたのに。
今さら、何でそんなこというの?
「何で・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・もう泣き顔見たくないし。知ってんだよ、俺。
お前がレイプされたの。」
嘘・・・・・・・・・・・・・
やっぱり乙葉さんだったんだね。