手に入らないもの


朝。

起きると涙で髪が濡れていた。


私は涙を拭いて窓を開けた。


ほら、こんなに明るいじゃん。


私、がんばれるかもしんないじゃん。


何で今まで苦しんでたんだろ。


空を見上げれば

すぐ答えが出たはずなのに。


向き直れたはずなのに。



ピーンポーン


・・・・・・・・・・・・・・・・お母さんやっぱり今日もいないんだ。


私は仕方なく扉を開けた。


そこには弘海がいた。



「弘海・・・・・・・・私ねっ・・・・・」



















「もうやめよう?友達でいるの。」





「えっ・・・・・・・・・・・・・?」



冗談でしょ?


よく分かんないよ。


だってやっと私前を向けるようになったんだよ?



やっと・・・・・負けたくないって


苦しむ暇なんかないって


やっと思えたのに。



今さら、何でそんなこというの?


「何で・・・・・・・・・・・?」


「・・・・・・・・もう泣き顔見たくないし。知ってんだよ、俺。











お前がレイプされたの。」



嘘・・・・・・・・・・・・・


やっぱり乙葉さんだったんだね。


< 34 / 68 >

この作品をシェア

pagetop