手に入らないもの
「乙葉............」
そこにいたのは乙葉だった。
「何でここにいるの??今日、部活でしょ??しかも……誰??この子。」
んなこと言ってないじゃんか。
うそつきだな。
美亜はその人の態度にムカついて立ち上がって反抗しようとした。
でも俺は止めた。
美亜まで巻き込みたくない。
美亜まで傷つけることだけは絶対にしたくない。
それが俺の正直な答えで。
「……コイツ、俺の彼女。だから、手を出さないでくれよ。
悪ぃ……今日は帰ってくれ」
美亜を・・・・・・
傷つけてしまったかもしれない。
でも、、、、、
こうするしかなかった。
辛かったけど。
方法がこれしかなかったんだ。
美亜は今にも泣きそうな表情だった。
でも無理に笑顔を見せて
「分かったぁ。乙葉さん、何かごめんなさい。でもただの友達ですからっ!!」
と言っていた。
乙葉は何も言わなかった。
相当怒っているようだった。
美亜は公園を飛び出した。
でも少し離れたところで泣いてたのを見たんだ。
見てられなかった。
あんな姿見たら・・・・・・
そばにいってやりたいって。
そう思って美亜のもとへ向かおうとした。
でも止められた。
乙葉に
「あの子のところへ行ったらあの子がどうなっても知らないわよ?」
・・・・・・・・何も言えなかった。