手に入らないもの



「乙葉さん!!!私・・・・・



弘海が好きです。

何されたって
どんな傷つけられたって

諦められません。


大好きなんです。」



・・・・乙葉さんは黙り込んだ。


そして静かに話し出した。

「私・・・会った頃から弘海が好きだった。

どうしても手に入れたくて

どうしても好きになって欲しくて

・・・・だから親の借金を利用しちゃった。


でも・・間違いだったわね。


直球勝負よね。恋は。




私・・・・・美亜ちゃんに負けたわ。


もう・・・2人を傷つけないわ。」



そう言ってその場を立ち去った。


乙葉さんも本当に好きだったんだね。


ただ・・・恋の仕方が分からなかったんだよ。


ただそれだけ。


でも運命は残酷。

それと同じく

恋愛もすごく残酷なものなんだよね。


だって

恋の船は

2人乗り。

余計なものを持ち込んだりしたら

沈んでしまう。


そういうものなのだから。
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