生き続ける意味 **番外編**
♣ 過去と未来
キーンコーンカーンコーン
「あぁぁ……やだよ…。」
終礼のチャイムがなった瞬間、あたしは机に突っ伏した。
やだやだやだ…。
あたしの変化に気がついたのか、横から実優が顔をのぞかせる。
「桜?どーしたの、調子悪いの?」
ちがう…ちがうの!
あーもう。この記憶、消したい。
知らなかったことにしたいぃ…。
そのとき、腕をぐいっと持ち上げられた。
「ちゃんと定期検診いけよ?もう出ないと時間に間に合わないだろ?」
「だぁーっ!翔、言わないでよ!
せっかく記憶から抹消しようと努力を…」
ってか、なんでうちのクラスにいんのよ!
あんたクラス隣でしょ?
「なんだって?」
うっ、翔の顔こわい。
翔は、はぁと深いため息をついた。
「お前いつになったら病院嫌い克服できるんだよ…。
てか、そんな努力するなら、いい加減自分から行けるようにする努力しろよ?」
カバンをわたされて、しかたなく立ち上がった。
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