生き続ける意味 **番外編**
あたしは、首を横に振った。
だから…怖かったんだ。
あたしを捨ててしまわないかって…。
わからなくて…どこか信じられなくて…。
あんな態度とっちゃった。
亮樹兄ちゃんは、くすりと笑う。
「じゃー、これからも、桜と一緒にいていい?」
心臓が、ドキリとした。
一緒に…いて、いいの…?
亮樹兄ちゃんと暮らし始めてから、ずっと思ってきたこと。
あたしが…1番、不安に思ってたこと。
あたしは、力いっぱいうなずいた。
「うんっ……」
すると、亮樹兄ちゃんは笑った。
いままで、見たことがないくらいの、笑顔で。
「ありがとう…桜。」
亮樹兄ちゃんは、またあたしをぎゅっと抱きしめた。
「っ……亮樹兄ちゃん。」
あたしは、ここにいて…いいんだ…。
そう考えただけで、今まで感じたことのないような、とてもあたたかい気持ちになれた。