生き続ける意味 **番外編**





……………


記憶が、徐々にぼやけていく。



小さい頃のあたしと、亮樹兄ちゃんも見えなくなっていく…。





「くらっ……おーい……」




んん……。誰かの、声…。





「さくらっ!」



目を開けると、いつものあたしの部屋の天井…。


横を向くと、仕事が終わったのか、隣に座っている亮樹兄ちゃん。




…夢?だったの…?


なつかしい夢だったなぁ……。



目をこすって、体を起こす。



机には、ノートやら教科書やらが散らかっている。




…寝ちゃったんだ。





「お前、大丈夫か?なんか顔が赤かったからちょっと起こしたんだけど……熱?」




え…?うそ。


両手でほっぺをさわると、なんだか熱い…。


ほんとに熱あるのかなぁ…。






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