生き続ける意味 **番外編**
賑やかな廊下を通り過ぎて、プレイルームを通り過ぎて。
「ここだよ。」
あたしはドアの前で立ち止まった。
名前プレートに、平坂ヒカリと書かれていた。
…やばい、緊張してきたよ。
ドクンドクンと鳴る心臓を抑える。
「あ、あの…本当に、いきなりあたしが会っていいんですか?」
佑真先生はコクリとうなずいた。
「うん、会ってほしいな。
突然お願いしたから、困らせてるのはわかってるんだけど…いい?」
あたしは首を振った。
「いやいや!あたしは大丈夫なんですけど…」
ヒカリちゃんが、ね。
だって…あたしわかるもん。
ヒカリちゃん、そうとう心閉ざしてるなぁって。
初めてあった時の、あの表情見たら、なんとなくわかる。
そのとき、後から誰かに服を引っ張られた。