生き続ける意味 **番外編**
ヒナはあたしの手を引っ張った。
「桜ねーちゃんも行く?ヒカリおねーちゃんのとこ!」
…ん?ち、ちょっと待った!
ヒカリおねーちゃんって…
そのままぐいぐいと病室に入ろうとするヒナを止めることも出来ず…
あたしは、ヒカリちゃんのお部屋に入った。
「おねーちゃん!ヒナだよ!」
甲高いヒナの声が、お部屋に響く。
正面に見えたのは、ベッドから起き上がって座っているヒカリちゃん。
ヒカリちゃんは、ヒナを見た瞬間、少しだけ頬が緩んだ。
けど、あたしを見た時、再び表情が固まった。
…まぁ、そりゃ、そうだよね…。
「あの、いきなり入ってきてごめんね!
私、桜っていいます。千﨑 桜です!」