生き続ける意味 **番外編**
ヒカリちゃんは、無表情であたしを見る。
う、どうすればいいんだ…。
「ヒカリおねーちゃん!桜ねーちゃんだよ!仲良しなの!」
ヒナがぐいぐいとヒカリちゃんの手を引っ張る。
ヒカリちゃんはひなの様子を見て、一呼吸つくと、ゆっくりと口を開いた。
「…なにか用ですか?」
たった一言。けど、冷たくて、悲しげな言い方。
手に汗がにじむ。
あたしは、必死で笑顔を作った。
「いきなりごめんなさい。迷惑かなとは思ったんだけど…。
この前、会った時覚えてる?倒れちゃったから、あんまり覚えてないかもしれないけど、
あたし、心配だったから…。」
ヒカリちゃんは、しばらく間をあけると、小さくペコりと頭を下げた。
「…ありがとう。」
「っ…いいえ!」
なんか…この子、不思議だなぁ。
すごく冷たいと思ったら、なんか暖かい言い方するし、
けど、無表情だし…。
ヒカリちゃんって、どんな子なんだろ?
…よく分からないな。