生き続ける意味 **番外編**
* 自分の道
「…ヒカリちゃんが?」
夕飯の支度中、亮樹兄ちゃんがたずねた。
「うんー…、怒らせちゃったかなって…」
ハンバーグに竹串を刺す。
…うん、焼けてる。
よし!出来たー!
フライパンに乗っているハンバーグを、お皿に移す。
「どーだろうねぇ。
怒ってるってより、びっくりしたんじゃなくて?」
びっくり…?どうして?
亮樹兄ちゃんは、読んでた新聞をたたんだ。
「桜が言った言葉が…
ほら、あの子、色々と事情がある子だからね…」
…事情、ねぇ…。
そういえば佑真先生も言ってたっけな。
なんだろ…気になる…。
聞いていいのかな。
…いや、やめとこうかな…。
あんまりいい気しないよね、他人にそういうの聞かれるのって…
「そ、そうなんだ…、私にはよくわからないけど…。
え、それで、あたし、これからもヒカリちゃんの所行った方がいいの?」