生き続ける意味 **番外編**
頭をブンブン振った。
ちがう。そう、ちがうよ!
だって、この前の検診の時も、大丈夫だったし…。
うん、大丈夫。
「…桜?水、出しっぱなしだけど…?」
「え、あっほんとだ…」
急いで止めると、ふぅと息を吐く。
大丈夫。大丈夫…
1度、大きい病気になると、すこし症状が現れただけで、物凄く心配になってしまう。
心臓がどくどくと走る。
亮樹兄ちゃんがあたしの元に来ると、あたしの頭にポンと手を乗せた。
「亮樹兄ちゃん…」
「桜、きっと疲れだよ。
学校始まってバタバタだし、神経使うだろ?
大丈夫だよ、この間の検診の時も異常なかったろ?」
「…そ、そうだよね。」
うん、大丈夫。
だって亮樹兄ちゃんが大丈夫って言ってるんだもん。
主治医が大丈夫って言ってるんだよ?
だから、大丈夫…。
…なのに、なんでこのモヤモヤは消えてくれないの?