生き続ける意味 **番外編**







「けど、このあと部活だよ?

メイクしちゃまずいでしょ!」




よし!我ながら良い言い訳!



すると、一瞬固まって、がっくりと肩を落とした実優。



「うー…タイミング悪いー。

せっかく可愛い桜を見せて、翔を喜ばせようと思ったのに!」




翔が…喜ぶ?



…いやいやいや!あたしなんか、化粧したって変わんないし、第一かわいくなんてならないし…



「あ、わかった!すっぴん風メイクだ。」



ん?え、すっぴん風メイク…とは?



すると、いきなり腕まくりして、メイクを準備し始めた。




「ちょっ、実優?なにしようとしてるの…?」






「ん?すっぴん風メイクって言って、化粧した感じを出さないの。

あくまで、すっぴんです、みたいな!

けど、ナチュラルに盛って可愛くなるのよ!」




…えーと。

よく意味が……


すっぴんって、なにもしてないからすっぴんなんじゃなくて?



手を加えたら、それってもうお化粧じゃん。



「細かいことは気にしなーい。

まぁ、言っちゃえば、すっぴん詐欺でしょ。」




…今から、その詐欺をあたしにさせようとしてるのね、あなたは。








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