生き続ける意味 **番外編**
「細かいことは気にしなーい」
そう言って、お化粧を始めた実優。
それも、お昼食べながら。
それから、なんだかんだで15分が過ぎ。
…あたしは今、水泳部の見学に来ています。
「…体験の子だよね?
もっと近くに来ていいんだよ!よく見えないでしょう?」
「あっ、すいません…ありがとうございます。」
…違うんです、水泳部の先輩さん。
遠慮して影に隠れてるのではなく、顔を見せたくないから隠れてるんです…
グランドの脇に、こっそりたたずむあたし。
水泳部は、今、陸上部と一緒に走ってる。
なんか、さっき先輩に聞いたら、見学じゃなくて実際に体験してみたら?って言ってたんだよね。
先輩がそこまで言ってくれてるから、断る訳にもいかず。
結局、運動着に着替えてるんだよねー。
っていうか、翔どこいるのかな…
あいつには絶対見つかりたくな……
「おい!」
いきなり肩を叩かれた。
思わず、ビクッと跳ねる。
「し、翔?!なんでいるの…」
顔を手で隠してるから、よく見えないけど、ジャージにタオルを首に巻いてる。
「なんでって…部活だから。
てか、お前見学じゃなかったのか?」