生き続ける意味 **番外編**







「…化粧、した?」




そう呟いた。



翔のその顔が、なんだか大人っぽくて、なんか…なんていうか、男の人?って感じで。





あたしは、今までの勢いを止められて、体は固まってるし…



だから、コクっと頷いた。






「した……み、実優に。」





「…へぇ………お前でもこんな風になるんだな。」





ゆっくりと指を離した。




………へぇ?


こんな風って…?




「翔!休憩終わりだぞ!」




後ろの方から先輩らしき人の声がした。




「あっ、はい!今行きます!」




翔がそう言う。




「んじゃ、練習戻ってくる。」




「え、あ、うん…」





グランドの中央に走っていく翔の姿を、あたしはぼーっと眺めてた。






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