生き続ける意味 **番外編**
帰り道、とぼとぼと考え事をしながら歩く。
もうすっかり雪は溶け、早いところは木の芽が出てる。
「ふぅ……」
あたしは部活の体験だから、早めに終了。
先輩から年間の練習内容とか、合宿やらのイベントがあることとか、色々と聞いて、終わった。
けど、気になるのは昼間の翔のこと。
あたしは、冷えた唇に人差し指を当てた。
…なんだったんだろう。あれは。
そんな考え事をしながら、ぼーっと歩いた。
けど、全然嫌な気分じゃなくて、
なんというか…不思議な気分?
スーパーの角を曲がろうとした時。
救急車の音が近づいてきた。
お馴染みのアナウンスと共に。
すると、一般の車が避けていく。
…あ、思い出した。ヒカリちゃんのこと。
ヒカリちゃんか……どうしよう。
あたしに何ができるって言うのよ。