生き続ける意味 **番外編**
それに、すっごくたくさんの事を学べたし。人の心の痛みもわかることができた。
だから、あたしも誰かの役に立てるようになりたいって、心から思えるようになったの。
もし病気で闘った自分がいなかったら、こんなこと思えなかっただろうな…。
まあ、今だから言えるってやつだね!きっと。
茜さんは、微笑んであたしの頭を優しくなでた。
「よしよし……そうだね。よく頑張ったもんね。」
優しいし、人の気持ちを受け止めて、わかってくれる。
茜さんが笑うと、あたしもにこってなる。
あたし、茜さんのこういう所が好き!
「あっ、そういえば亮樹先生が桜ちゃんのこと探してた気が…」
う、逃げてきたのにぃ…
あたしは首を振った。
「え、気のせいじゃない??あたし、先に帰るの。」
亮樹兄ちゃん…なんかムカつく。
さっき言われたことが…頭の中でリピートされる。
すると、後ろの方から足音が聞こえてきた。
廊下に響く足音が、桜どんどん近づいてくる。
「あっ、桜!!」
……来た。