生き続ける意味 **番外編**
「……くら!桜!」
ぼやっとしたモヤの中に、亮樹兄ちゃんの声。
目を開けると、上からあたしをのぞき込む亮樹兄ちゃんがいた。
リビングの照明が眩しくて、目を閉じる。
夢、だったのか…
思わず息をついた。
「桜…?大丈夫か?なんか汗すごいけど…」
心配そうに、髪を撫でる。
…そういえば、汗かいてる。
それに、なんかドッと疲れた感じ…
…けど、夢でよかった。
あたしが1番辛かった頃の記憶だった。
「ん、大丈夫だよ。ちょっと…嫌な夢見た。」
ゆっくり起き上がって、気づいた。
あたし、制服のまま寝てたんだっけ。
窓を見ると、真っ暗。
亮樹兄ちゃんが帰ってきてるってことは、もう10時くらいなのかな。
どんだけ寝てたんだ、あたし……