生き続ける意味 **番外編**
「ううん、大丈夫……
薬、残ってるし。飲んだらすこしは良くなるよ。」
「大丈夫じゃないよ…、桜。」
実優の弱々しい声。
「…どうしてそんなに行きたくないの?
怖いのか?」
あたしの手をぎゅっと握りながら翔が聞く。
亮樹兄ちゃんと言い合った次の日から、あたしは入部届けを出した。
それから、部活に毎日出てるし、学校も休んでない。
頑張らなきゃ、頑張らなきゃって、自分を追い込んで、なんとか気を張ってるから、保ってた状態。
勉強も入院してた分、遅れてるし…学校生活もみんなについていくのが必死だし…
だから、毎日学校終わったら、家に帰って、すぐ寝ちゃう。
体調悪くて食欲ないから、そのままご飯食べずに寝ちゃって、朝も食べれなくて…
だから、ちゃんと食べるのはお昼の時くらい。
ここん所、亮樹兄ちゃんが仕事で当直か、帰ってきても、夜遅いから、ご飯食べてなくても気が付かないんだよね…
ズキン
ひときわ痛みが強い頭痛がきた。
思わず、その場に座り込んでしまった。
「桜っ!」
翔がしゃがむと、あたしに背中を向けた。
「乗って。とりあえず家の中まで運ぶ。」
翔におぶられ、実優に荷物を持ってもらって、家の中に入ると、
リビングのソファーに寝かせてもらった。