生き続ける意味 **番外編**
目の前がぼやぼやってする。
まぶたが重くて、眠気もすごい。
「桜……?起きれるか?2時間くらい寝てたけど。」
ふと隣を見ると、翔がいた。
いいにおいがする。
「実優がご飯作ってくれたんだけど…
少しでいいから食べよっか。」
えっ、実優が…?
「桜ー?食べれそう?」
なんとか体を起こすと、翔がお盆にのせたシチューを渡してくれた。
「ありがとう…実優。おいしそう。」
にんじんやじゃがいもとかの野菜が細かく切られていて、スープもとろとろ。
食べやすいようにしてくれたんだね。
翔がスプーンで少しすくうと、あたしの口元に寄せてきた。
「はい、どうぞ。食べな?」
…これって。
キッチンにいる実優がニヤニヤしながら、あたしたちを見てる。
うぅ……
けど、抵抗する体力もなくて、素直に食べさせてもらった。
「…ん、おいしい。」
「ほんと?よかったぁ…」
実優の嬉しそうな声。
これ、ほとんどドロドロなんだよ。だから、食べやすくて。
食べるって言うか、飲むってかんじ。
「はい、桜。」
翔がまた、スプーンを口元寄せてきた。
「んっ……」
おいしい。