生き続ける意味 **番外編**
「し、翔…自分で食べれる…」
けど、翔はスプーンから手を離さない。
「だめ。そしたら食べないでしょ?」
食べる…もん。
ちょっと自信ないけど……
翔はふっと笑った。
「だーからいいの。はい、あーん。」
ちょっ、恥ずかしいんだけど…
口に入れられ、もぐもぐ口を動かすしかない。
そんなあたしたちを見ながらシチューを食べる実優。
な、何笑ってるの、実優……
「え?なーんか不思議な光景だなーって。
けど、ほのぼのするっていうかさ…
翔、良いパパになりそう!」
え、パパ?それって、あたし子どもってことじゃん!
「あたし、子どもじゃない!」
「なーんで。子どもみたいだよ、今の桜。」
みるみる顔が熱くなるのがわかる。