生き続ける意味 **番外編**
意識が途切れるギリギリの淵で残っていたのは、具合悪いが上のしんどさと辛さ。
そして、心をぽっかりと開けさせられるような後悔だった。
「…桜?さーくら?」
どのくらい時間が経ったのか。
何か声が聞こえてきた。
と同時に襲う、ひどいだるさ。体に力が入らない。
…久しぶりにこんなに酷くなっちゃった。
「…あ、起きた?具合どう?」
目を開けると、いつものようにあたしに話しかけてくる亮樹兄ちゃん。
あたしは、小さく首を振った。
いつも見る白いベッド、カーテン、病院の匂い。
…そうだ、あたし、家で具合悪くなって病院に…
一気に罪悪感が襲った。気のせいか、頭も痛くなってくる。
「…亮樹兄ちゃん。」
亮樹兄ちゃんはあたしの点滴がずれているのを直していた。
「ん?どした?」
「……なんでもない。」
あたしは、窓の方を向くと、静かに息をついた。