生き続ける意味 **番外編**
廊下はどこまでも真っ暗で、所々ある明かりだけが頼りだった。
寒くて、鳥肌が立つ。それでも、あたしの足は止まらない。
どこに行きたいかなんて、なかった。
ただ、病院にいたくない。病院から出たい。その一心だった。
「はぁ……っ」
体がだるくて、目眩がすごい。
思わず廊下に設置してある手すりに捕まると、何かが手の甲に落ちた。
…血?…点滴抜いたから……
そんなことは気にならなかった。
とにかく、外に出たい。どこに…行けば…
あたしの頭の中は、軽くパニックになっていた。
暗くて、寒くて、寂しくて…悲しくて…
もう、わけがわからない…
「んっ……ふえっ……ひっく」
もう何が何だかわからなくて、とにかく不安で苦しくて、涙が出てきた。
力が抜けて、しゃがみ込んだ。
首を振って、嗚咽が止まらなくて、自分の足を叩いて…
やだ…やだ…
なんで普通の生活が遅れないの?
頑張っても、思うようになってれないの?
亮樹兄ちゃんや翔や実優に迷惑ばっかかけてるの…?
亮樹兄ちゃん…嫌われちゃったかな?やだ…やだよ。
このままじゃ、翔や実優も…
あたしのこと、嫌いになる…?
「やだぁ……ひっく、やだ…」
このまま、自分が消えてなくなってしまったらいい。
本当にそう思った。