生き続ける意味 **番外編**
目の前に、さっきまで一緒にいた亮樹兄ちゃんがいて。
安心感か、力が抜けたのか、一気に涙が溢れ出てきた。
心の底から出てくる感情が、もうどうにも抑えきれなくて、そのままうつむいて泣いた。
「っ…亮樹っ…兄ちゃん……」
肩は震えて、息がしにくくて、怖くて……
亮樹兄ちゃんの顔が見れなかった。
「亮樹兄ちゃんっ……ごめっ…ごめんなさいっ……!
あたしが病気かかって、いっぱい迷惑かけて、心配かけて……
ほんとの、家族っ…でも、ないのに…
あたしなんか……ごめんなさい…!」
震える声で、とにかく言った。
亮樹兄ちゃんがあたしを嫌いになったら、あたしどうしたらいいの?
実優や翔があたしをきらいになったら、どうしたらいいの?
…一人ぼっちじゃ、なんにもできないっ…
肌に当たる空気が冷たくて、体が寒くて、心の中から凍えそうだった。
その時、突然、亮樹兄ちゃんがあたしの頬を両手で包んだ。
無理やり顔を上に上げられる。
涙でぼやけてよく見えなかったけど、そこには、微笑んだ亮樹兄ちゃんがいた。